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デイムラーの歴史 About a Daimler
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このコーナーでは、Daimler(デイムラー)の様々な知識や歴史をご紹介していきます。

01

物語は、1888年のブレーメン万国博に端を発します。若き技師フレデリック・リチャード・シムズは、自身の発明によるケーブルカーを出展していましたが、ドイツ人、ゴッド・リーブ・ダイムラーが出展していた路面電車の4ストロークエンジンに着目しました。交渉の末、英国と全英領(カナダを除く)における製造・販売の権利を取得し、1893年にダイムラーエンジンをランチ(小型ボート)に取り付ける会社をロンドンに設立。エンジンパテント所有者に敬意を表して社名をデイムラーモーターシンジケートとしました。
Fredrick R Simms


Daimler Motor Boat


Harry J Lawson
しかし、シムズは自動車ではなくなぜランチを選んだのか。それは、当時の英国では、「すべての自力推進の路面自動車の最高速度は4マイル(街中では2マイル)と定める。」また、「乗員の一人が安全の為に車の直前を赤旗を持って走らなければならない。」という「赤旗法」が施行されていたからです。この赤旗法が廃止されたのは1896年。機を逃さずデイムラーモーターシンジケートは、自動車製造に転身するため発展的に解消。ロンドンから約150キロ離れたコベントリーの地に「デイムラーモーター社」を創業しました。シムズは既に、シンジケートの会員の一人であるハリー・J・ローソンに会社としての権利を譲っていましたが、本格的な英国自動車史の幕開けを飾った人物として「英国自動車の父」と呼ばれ歴史にその名を記すに至りました。


Red Flag

02

デイムラーの100年以上の道程の中で、デイムラーと英国王室との関係はあまねく知られるところですが、それは、デイムラー誕生時から始まっています。プリンス・オブ・ウェールズ(後の国王エドワード7世)は、初めて自動車に乗られたロイヤルファミリーとして英国の自動車史にも記されていますが、殿下は初の御料車としてデイムラーを指名されました。

そして、1900年3月28日、フーバー社のコーチワークによる6馬力のフェートンが初の王室御料車として納められました。以来、100台あまりのデイムラーが国王、女王のために造られ、これに倣って各国元首もデイムラーを採用。日本でも明治45年、当時の宮内省が御料車として50馬力のランドレーを購入しています。



1911 Landaulette


1944 Used By Churchil

03

デイムラーを象徴するフルーテッドラジエーターグリル(波状のグリル)は、冷却能力を高めるために考案された放熱フィンが変形したもので、1904年から採用されたものです。以来、デイムラー車のシンボルとして、またステイタスとして最新のX350型ボディのデイムラーにも採用されています。また、英国初の、V12気筒エンジン、伝説のオリジナルダブルシックスは1926年に登場。卓越した滑らかさと静粛性を誇り、当時の英国王室御料車はすべてこの新型エンジンに切り替えられました。
X350 Daimler


1928 Double Six
その、車格ゆえにつねに品質の頂点を求めたデイムラーは、必然的に生産ステージでもライン(line)を用いた流れ作業による生産ではなく、ベイ(bay)に留めて1台ごとに造りこみ、完成させてゆく製造方法を多用してきました。技術面でも、発明者チャールズ・イェール・ナイトとクリスマスソングをかけて「サイレントナイト=沈黙の騎士」と呼ばれたスリーバルブエンジン(1909年登場)、トルクコンバーターによる自動変速システムが登場するまで夢のギアボックスとして好評を得たプリセレクターギアボックス(1930年登場)をはじめ、自動車技術のエポックをなすさまざまな新技術を輩出してきました。

04

第2次世界大戦を経て、時代が大量生産車を望みはじめた趨勢を鑑みた結果、会社としての経営は次第に苦しくなっていきました。その後、1910年からデイムラー社の親会社であったBSA社は、「デイムラー」を「ジャガー社」に売却。当時のジャガーの総帥サー・ウイリアム・ライオンズは、英国自動車界の父シムズが残した車名に敬意を表し、車名の存続と製造手法に倣って名門の伝統を継承することを約束しました。

その後、マジェスティックメージャー及び、そのリムジン版のDR450を1968年まで製造。以後、量産オリジナルリムジンDS420及びバッジエンジニアリングになるジャガーの最高級バージョンを、往年のままの手作業による仕上げで英国伝統の高級車を守りました。

今日でも、ジャガーカーズ社が造る車輌で最高級グレードに位置付け、生産を続けています。


X300 Daimler Centenary

Majestic Major


Last Series III Double Six


XJ40 Daimler

About a Daimler
01:
1896年、コベントリーの地にデイムラーモーター社創業。

02:
1900年、初の英国王室御料車に。

03:
つねに最高峰を求めて。

04:
ジャガー社との出逢いを経て。


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